最近、歯医者に通っている。家の前の通り沿い、自転車で数十秒で着く距離の歯医者。元々が出不精な私にとって自宅から近いということは何を続けるにもたいせつなのだ。

1年ほど前にもそこで歯を診てもらっていたのだが、ある台風の日に予約が延期となり、延期されたということをカレンダーに登録することを忘れ、そして予約自体を忘れたきりになっていた。一念発起して7月あたりからまた通い始めたというわけ。

感染症対策がなかなかすごい。患者が入る前後で念入りに消毒するのはもとより、硬貨をアルコール漬けにして消毒していたのはちょっと笑った。

「お札もやってみたんですけどね、へろへろになっちゃって」

「でしょうね、で、どうすることにしたんですか?」

「2日ほど天日干しにしたものを使っていくしかないかなって」

硬貨消毒の効果は定かではないけれど、それ以外にも随所に注意深さを感じる配慮があるので安心できるというもの。

そういえば、街の医者や歯医者のお会計はだいたい現金。税金の支払いをコンビニでするときも現金だけのときがある。これは法律かなにかで決まっているのだろうと個人的には思っていた。

「キャッシュレスが使えればいいのですけどね、あれって法律で決まってるんですか?」

何気なく尋ねたら、少しばかりバツの悪そうな顔をして、見送ってくれた先生がいう。

「あれは法律じゃなくって、ぶっちゃけた話、手数料払えないんですよ

このクリニックでは極力、保険診療ですべてを済ます、というより、わざわざ不必要な保険外診療を奨めるようなアコギな治療はしたくないとの方針だそうで、そうなると経営自体はそんなに余裕はなくなるとのこと。

このコロナ下の情勢において、医療従事者、とくにかかりつけとなるような小さな医院、歯科医院の感染対策は急務であろうに。正直、GoToキャンペーンよりすべての医療機関のキャッシュレス手数料のほうが、補助を行う価値のある対象ではないのだろうか?

少し調べてみた限りでは経済産業省としては、キャッシュレス・ポイント還元事業の一環でキャッシュレス決済事業者に対し、中小店舗向けの手数料率の上限を3.25%1とするようにしていて、実際に医院・歯科医院向けのクレジットカード決済サービスを調べてみるとだいたい3.25%のよう。

ふと海外ではどうなのだろう?と思って調べてみると、日本は特段、手数料が高いようだ。2アメリカで1.51%、中国0.45%、イギリスにいたっては0.3%。たしかに1%切ったら導入しようと思うのが人情ってものではないだろうか。医療機関向けにはとくにディスカウントしてもらえませんかね。

良心的な歯科医のもと、わたしの口腔環境もだいぶ改善されてきている。なにがまずかったって、20年近く前の治療がどうもよくなかったらしく、でもそれはまた別のお話。


  1. 経済産業省「キャッシュレス決済事業者の中小店舗向け開示ガイドライン (令和2年6月23日)」 ↩︎

  2. NY在住ぜんちゃんのアレコレ発信局「海外でクレジットカード加盟店決済手数料って何%なの?日本がキャッシュレス推進で必要な対応は?」 ↩︎