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帰ってきた荒ぶる魂の日記。

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2012-01-19

_ [] 都市と都市 チャイナ・ミエヴィル

なんか社会学的なタイトルだけど、SFファンタジーミステリ。どれかに選べ、と言いたくもなるが、その素晴らしい融合。

舞台は現代なんだけど、ヨーロッパ(解説ではバルカン半島付近?と書かれていた)にある小さな2つの都市国家。この2つの都市国家はたとえば、イスラエル、パレスチナのように互いに入り組んで隣接している。酷いところだと、公園の木々一本一本で分かれているという始末。しかし、この2つの国の間には、ベルリンの壁のような厳重な防壁などない。大体が、道路や線路を共有している部分もあるし。だけど、この2つの国にはとんでもなく大きな溝がある。歴史的な経緯(歴史が失われていて起源が分からない)により、両国の国民は互いに相手の国のものを見てはいけない、聞いてはいけないという絶対的なルールがある。視界に入っても、見ないふりをするという訓練を幼少期からたたき込まれる。もし、偶然、事故が起きて、車がはみ出して来ちゃったりしても、知らないふりをしないといけない。うん、作者は頭がおかしい。超絶的変態的はちゃめちゃ設定なのだ。そんな突っ込みどころ満載な設定なのに、ディテールが上手く描写されているから、リアルに感じられる。というか、僕はかなり引き込まれてしまった。

で、そんな二つの変態的な国に殺人事件が起きて…、両国の刑事が協力して…、あれよあれよという間に両国の歴史の謎なんかも絡んできて…、で、どうなるか?という話。異種世界の刑事が協力して犯人捜しをするっていうと、アイザック・アシモフの「鋼鉄都市」が真っ先に思い浮かぶ。鋼鉄都市はその後、いくつかの続編が続く訳だが、この「都市と都市」もぜひシリーズ化を期待したいなあ。だって、iPodとか普通に使ってて、現代感ばりばりのくせして、自宅の目の前の異国の人をまじまじと見つめると罪になって、どっか消えてしまうんだぜ?なに、その謎設定。しかもラストは…、思わずネタバレしたくなるけど、やめておく。

とにかく、面白かった。引き込まれた。続編読みたい。以上。しかし、翻訳がイマイチな気が私はする。なんというか、せっかく台詞回しも情景描写も写実的というか、すぐに映画にできそうな構成なのに、なんか文章が日本語になっていないというか、読んでてつっかえるような違和感がして、非常に残念。


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